まず、不動産会社の実態が伝わることで、嫌がらせ以外の何物でもない強引な営業を排除し、不動産業界に、本当にお客様と信頼関係を築ける営業手法を根付かせ、不動産業界が改善されてほしい。
本編で示している例は、不動産業界という大きな枠の中で、マンション販売という、ごく一部にすぎない世界の観点からしか述べていないのと同時に、話も極端ではあり、あくまでも架空の業者のたとえ話にすぎない。
しかし、不動産業者は、不動産という人生で一番高いものを売る職業であるがゆえに、販売において、並々ならぬパワーを要する。そして、スーパーでの買い物などと違い、簡単に買ってもらえるものでないため、何とかして買わせようとあの手この手をうってくる。
お客様に買っていただくという考えではなく、とにかく情報を把握した上で、先手を打ち、相手の逃げ道を塞ぎ、徹底的に追い詰め、時には違法行為によって相手を陥れることもためらわない、いわゆる「旧不動産体質」の業者が残念ながら、まだ業界には数多く存在する。
そして、「法」ではそういった反社会的行為に対しての対策もとれず、改正建築基準法など、大した効果を期待できない法案が成立されているのも現状である。
しかし、ここ近年の間に、インターネットの普及など、様々な環境の変化に伴い、お客様の予備知識も増え、お客様を言いくるめるという行為が非常に難しくなっているのも事実である。実質、少ないながらも、アンケートを取らず、お客様の個人情報を強引に聞こうとせず、純粋に物件のメリットを訴求していく業者もいる。また、アンケートの記入をお願いしながらも、その真意は、心からお客様にとって最適な提案をする為であり、接客後も、そのお客様に対してしつこいアクションなどして来ず、もちろんお客様の望まない訪問もせず、お客様にゆっくり検討していただける時間を差し上げ、お客様が本当に望まれる物件を購入していただけるよう努めている業者も存在する。
本編を見てしまうと、余計に不動産業者に対して、不信感を持ち、警戒心が増してしまうかもしれない。また、営業マンを信用してはいけないと勧めているので、矛盾しているとも言える。しかし、あくまでも、現状でお住まいのご購入を検討される方々にとっては、大事なことでもある。
結局、この繰り返しにより、体質がいつまでたっても改善されないのであろうが、実際に言えることは、現状、すでにモデルルームへ来場されるお客様の、営業マンに対しての警戒心は強すぎる。表情も非常に堅く、笑顔など当然ない。また、お客様によっては、まるで営業マンが野獣のように見えるのか、まるで喰われるかのようにひたすら怯えている。非常に見ていて辛く思える時もある。
言っていることが何一つ信用してもらえない。真剣に聞こうという姿勢もとってもらえない。ひたすら逃げの一手を打たれ、上司から自分が追い詰められることによって、追撃せざるを得ない状況となる。
その営業マンにとっても、会社員として、会社から給料をいただいている以上、契約は何としてでもとらなければならない。そして、スーパーのように、毎日お客様にお越しいただけるような職場でもなく、お客様1人1人に対してのプレッシャーも並々ならぬものがある。
そして、入社したころは、向上心に燃え、積極的に物事を考える人間であったものが、もともと気の強くない、打たれ弱い人間は、時間をたたずして上からのプレッシャーに負け、自身を保護するために、物事に対して後ろ向きになり、陰でお客様への文句、上司への文句、そして会社への文句、挙句の果てには本来助け合うべき職場の仲間への文句を言いながら日々を費やすようになる。もちろん、旧体質の会社に在籍しながら、そのシステムを拒否し、上司と対立しながら、お客様本位の考えを貫き通す営業マンもいる。
決して保護するわけではなく、肯定するわけでもなく、また当然のことだが、営業マンも人の子であり、お客様と同じように家族もいる。それが、まるで人ではないかのような扱いを受ける。そして心がさらに腐っていく。
営業マンにとっては、その不動産会社が旧体質である以上は、心を鬼にしなければならない。当然営業マンにとってもそれに従っている以上、いくら辛いからといっても、このような詐欺的行為が許される行為ではないということも重々承知しており、苦情は当然真摯に受け止めるべきであり、二度と繰り返すべきではない。
こういった体質は絶対に変えていかなければならない。
現状では、営業マンがウソをついたり、言いくるめることによって、お客様の逃げ道がなくなり、苦しいがために、断るためにウソをつかざるを得ないようになる。当然、そのような苦し紛れの応急処置的なウソは、お客様にとって墓穴を掘る結果となり、それに対して営業マンが徹底的に突っ込み、さらにウソをついて追い詰め、お客様がさらにウソをつき、逃げる。
それこそ、不運にもバリバリの営業マンを担当に持ってしまうと、最悪、引っ越すか訴えるしか選択肢がなくなる。お客様が電話を無視したり、電話番号を変えたり、烈火の如く怒ったり、精神的苦痛を訴えたりしたところで退き、諦めるような人間ではない。しかも、会社がそれを是正するどころか容認、さらには推奨、または強要する。お客様を徹底的に追い詰め、泣かしてしまった営業マンが、会社でまるで英雄のように扱われる。その営業マン自身もそれを誇らしげに語る。
その当事者となったお客様は不動産業者に対して、当然の如く悪印象しか持たなくなり、営業マンは営業マンでお客様にウソをつかれている事によってさらにお客様を信用しなくなり、ウソに拍車がかかる。まさに悪循環である。非常に嘆かわしいことである。
理想論ではあるが、本編のような詐欺的行為が世の中に少しでもなくなり、気軽にモデルルームへ足を運べるような環境を作り、「モデルルーム」という空間が、お客様がゆっくりと時間を費やし、営業マンと腹を割った会話をし、決して逃げと追撃という関係ではなく、お互い色々な面でプラスに成長していけるような場所となってほしい。
不動産業者から見れば、こんなことは綺麗事であり、やはりどんなお客様第一主義をとっても、売れない物件は売れないのだ、と思われ、お前一人でそう思っとけ、などと言われるだろう。
しかし、その前向きな姿勢を評価してもらえるお客様も必ずいらっしゃるはず。それを信じて進めば、いつか売れない物件も売れているかもしれない。そうすれば必ず、自分にとってだけではなく、お客様も不動産業界にとっても、将来的にプラスになると信じながら、ろくに外にも出ず布団にくるまっている今日この頃である。
「お前、こんだけ偉そうな事言ってて働いてないんかい(爆)」
お前こそ反社会的やないかという反論は勘弁して下さい。就職活動しますから…。
以上、こんな下らない、偉そうな話を我慢して最後まで読んで下さり、誠にありがとうございました。
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<おまけ>
・たまには真面目な話を…