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スタッフルーム実況中継

不動産 - Home > スタッフルーム実況中継 > 第5話
第5話 - 戸建希望?

とある新築分譲マンションのモデルルームでの話である…。

モデルルームの奥に位置するスタッフルーム。ウソと説教と本音が飛び交う空間…
もちろん一般人は立ち入り「絶対」禁止。

「少々お待ち下さい。」
接客中、爽やかな笑顔の営業マンがお客様にそう一言告げ、ニコニコしながらスタッフルームへ入っていく…。

これは、あくまでも架空の業者の話であり、優良な業者も数多く存在する。「こんな業者がいたらイヤだな…」という妄想として見ていただきたい。

スタッフルーム

上司「おう、どないや?」
営業マン「はい、今賃貸に住んでて、持家を希望してます。」
上司「当たり前やろが!希望してるから来るんやろが!」
営業マン「すいません。で、けっこう色々見てまわってるみたいです。」
上司「おう、ほんならけっこう考えてるんちゃうんかい。どこを見てるんや?」
営業マン「戸建を見ています。」
上司「戸建か…。マンションは?」
営業マン「いえ、マンションの話は出なかったです。」
上司「お前、聞いたんか?」
営業マン「いえ、聞いてません。」
上司「アホかお前は!ここはマンションのモデルルームやぞ!客がどっちに比重置いてんのか分からんやろが!」
営業マン「すいません。でも、戸建の話をメインにしてたので…。」
上司「だから何やねん?言わんから戸建しか考えてへんとでも言いたいんか?ほんならマンションなんぞ見に来る必要ないやろが!」
営業マン「すいません。」
上司「あやまるぐらいなら余計な事言うな!アホが!大体、考えてるやつはけっこう隠すモンなんや。んで、「戸建で考えてるんで…」とかって、逃げれるように先手を打ってこようとするんや。先手打たれたら苦しいからな、こっちからあらかじめ突っ込んでいかなアカンのじゃ!」
営業マン「はい。」
上司「んで、いつまでに欲しいんや、そいつ?」
営業マン「一応、1年以内で検討していると言ってます。」
上司「根拠は?」
営業マン「家賃がもったいないからと言ってます。」
上司「いつから賃貸住んでんねん?」
営業マン「いえ、それは…」
営業マン「アホかお前!それ聞いとかんと、今までどれぐらい払ってきたんか分からんやないか!」
営業マン「すいません。」
上司「何年住んでるんか聞いて、賃貸の家賃かけて、具体的にそいつが払ってきた金額を提示してやるんや!毎月の支払いやから、全体でいくら払ってるんか実感わかんやろ?それをたたきつけて「もったいない」って気持ちを煽って行かんとアカンやろが!」
営業マン「すいません。」
上司「何年も住んでるんやったら、1年以内に買うってのも疑わしいからな。違う根拠が出てくるかもしれんやろ。確認しとかんかい!」
営業マン「すいません。」
上司「んで、何年前から家見てるんや?」
営業マン「3年ぐらい前からです。」
上司「何で今まで買わんかったんや?」
営業マン「いいものがなかったと…。」
上司「そいつにとって「いいもの」って何やねん?」
営業マン「広くて安いのがいいと…。」
上司「アホかそいつ?んなモンあるわけないやろが。寝言は寝てから言えや。んな欲張ってたらそら買えんわな。現実をビシッと言って目覚ましてやれや。」
営業マン「はい。」
上司「んで、広さはどれぐらいがええんや?」
営業マン「はい、せめて3Lで100uは欲しいと…。」
上司「何でや?」
営業マン「今の家が狭いからと…。」
上司今の家の広さはどれぐらいやねん?」
営業マン「分からないと…。」
上司「お前、どんな聞き方したんや?」
営業マン「いえ、普通に、何uですか?と…。」
上司「アホかお前!そんな漠然とした聞き方やったら、客答えられへんやろが!今住んでる家が何uかなんて、業者しか分からんわい!」
営業マン「すいません。」
上司「特にそんな寝言言ってるやつはな、小学生でも分かるように分かり易く言わんと日本語通じんのじゃ!」
営業マン「はい。」
上司「例えば、「何畳ですか?」とかな、それでも分からんかったら、実際に接客ルームを区切って、「ここからここまでが何uです。お客様のお住まいされているお部屋のLDはこれぐらいの広さですか?」って、せめてそれぐらいは工夫して聞いていかんかい!」
営業マン「はい。」
上司「工夫して聞いて、相手が分からんかったら仕方ない、そいつがアホなんやけどな。どっちにしても、100uもいらんやろが。何人家族やねん?」
営業マン「夫婦のみです。」
上司「ほんなら2Lで70uもあれば十分やろが。」
営業マン「はい、しかし、100uはいると…。」
上司「だから何でやねん!根拠もなかったら狭い部屋で納得させなアカンやろが!大体、お前がしっかり根拠聞いてないから、話のしようがないやろが!広い部屋気に入らすんは猿にでもできるんや!」
営業マン「すいません。」
上司「広くて安い部屋なんかないんや。どっちか妥協させな、そいつ一生買えんやろが。そんなやつを「今」「ここ」買わすんがお前の仕事やろが!分かってんのか!」
営業マン「はい。」
上司「予算はなんぼや?」
営業マン「いえ、安ければ安いほどいいと…。」
上司「あ?んでお前、何て答えたんや?」
営業マン「まあ、それはそうですよね。と…」
上司「んで?」
営業マン「いえ、それだけです…。」
上司「アホかお前!何を、客の寝言に付き合ってんのや!100uの部屋の価格突きつけて、「これぐらいしますが、構わないですか?」ぐらい突っ込んどかんかい!それでどう反応するかで、価格か広さか、どっち妥協させるかも見えてくるやろが!」
営業マン「すいません。」
上司「ほんまに…。んで、戸建かマンションかどっちかに決めささな、なおさら話も進まんわな。」
営業マン「はい、しかし、「マンションは戸建に比べて狭いね。」って言ってます。」
上司「当たり前やろが。それぐらい分かって来るやろが、普通。ナメてんのか?そいつ。」
営業マン「そうですね。」
上司「そうですね。って…お前、何て答えたんや?」
営業マン「はい、そうですね、でもマンションの方が戸建に比べて価格が安いんで、お求めいただきやすいですよ。と…。」
上司「んで、反応は?」
営業マン「はいはい…って感じでした。」
上司「アホかお前!そこ大事なところやろが!何あっさり聞き流されとんねん!深く突っ込め!「どう思われますか?」って答え聞き出すまで突っ込まんかい!」
営業マン「すいません。」
上司「全く、意図が見えてこんやろが!大体、そんなに戸建がいいんやったら、さっさと買ってしまえばいいやろが!そいつ、適当に言ってるだけちゃうんか。」
営業マン「はい。」
上司「そいつ、戸建でどこかイヤなところがあるとか、言ってるんか?」
営業マン「いえ、特には…。」
上司「お前、ちゃんと突っ込んでんのか?」
営業マン「はい、それは突っ込んだんですが、「いや、別に…。」としか言わないんです。」
上司「何やねん、そいつ。うっとうしいな。漠然としすぎやないか。ほんなら、お前が今日全部教えたれや。家の見方、考え方をな。もちろん、「買うまで」な。」
営業マン「はい。」
上司「そんなクズ、練習台や思って、ガンガン言っていけや。何なら、客泣かす練習もそいつでやってみるか?」
営業マン「いえ、そこまでは…。」
上司「何や、ビビッてんのか?客泣かせるようにはなっとかなアカンぞ。俺も昔はよく泣かしたわ。」
営業マン「そうなんですか。」
上司「おう、そうや。客なんぞ、高い買い物でビビるやつばっかりやからな。攻めて攻めて攻めまくるんも大事なんや。」
営業マン「分かりました。」
上司「ほんなら、まず、戸建とマンションの比較の説明から客に言っていけ。戸建のメリットは?分かってるか?」
営業マン「土地が残ります。」
上司「おう、昔のバブル時代を経験して、土地は持っていたら価値が上がるて信じてるアホどもが真っ先に吐くセリフやな。固定資産税かかってもったいないのにな。んで、結局、相続税かかって子供がうっとうしがるんや。」
営業マン「はい。」
上司「まあ、マンションは土地は自分でどうにもできんから、価値あってないようなモンやからな。でも、鉄筋コンクリートやから減価償却で見たら、寿命が60年ぐらいやから、それに対応して価値は下がりにくいけどな。」
営業マン「そうですね。」
上司「戸建は、建売分譲がメインやから、木造や。寿命も30年ぐらいで短いしのぉ。しかも、建売の建物価値なんぞ、買った瞬間ゼロやからな。夢のマイホームに憧れて買ったやつが、売る時に仲介屋に現実たたきつけられて泣くことになるんも、知らんやつが多いからな。そんなやつを相手するんも疲れるけどな。」
営業マン「はい。」
上司「まあ、マンションも条件悪かったら価値すぐ下がるからな、価値で見ればどっちがいいかは微妙やわな。んで、他には?」
営業マン「戸建は庭があるので、ガーデニングができますね。」
上司「まあ、するやつにとってはええけど、せんやつにとっては維持管理が苦痛やわな。大体、主人がガーデニングに憧れて、結局苦労して管理するんは嫁になるんや。男は無責任なモンやな。大体、戸建がいいって言うんも、主人が多いからな。他には?」
営業マン「他、何かあります?」
上司「アホかお前は!一番言われるモンが抜けてるやろが!戸建はマンションと違って月の維持管理費がかからんやろ。月の支払いが安くなるから、お得に見えるやろ。大体その理由で戸建買うやつが一番多くて、一番後悔するやつもその理由で買ったやつや。」
営業マン「何で後悔するんですか?」
上司「お前、戸建の維持管理にどれぐらいかかるか知らんのか?住宅産業協議会のホームページに色々書いてあるやろが。それぐらい見とかんかい!結局、マンションと同じくらいはかかるんや。しかも、不規則に、まとめてな。貯金もできんやつがそんな出費払えるわけないやろ?」
営業マン「そうですね。」
上司「その出費が大体、10年後くらいに来るんや。だから、住み替えようて思うやつも10年くらい住んだやつが多いんや。その時には、建物価値はゼロや。ローン組んでるやつはローン消せんからな、身動きがとれんのや。」
営業マン「はい。」
上司「そんなやつが来たところで、ここも買えんから、うっとうしいだけやけどな。停止条件付けてオーバーローン組まそうとしても、銀行の事前審査は通っても、結局戸建は不便なところも多いし、都合よく同時決済なんかできんから、結局契約が流れて白紙解約や。客はどうでもええけど、俺らが苦労するだけやからな。」
営業マン「はい。」
上司「まあ、それでも苦しい物件やったら契約とりにいくけどな。売れる物件やったらまず売主が納得せんからな。ほんま迷惑な話や。戸建業者にうまい事のせられて、アホちゃうんか。まあ、マンション買うやつも俺らにのせられてるっていう意味では変わらんけどな。」
営業マン「そうですね。」
上司「おう、この客もクズやけど、あんまり待たせてもアカンから、とりあえず、戸建希望してるんやから、今言った話をたたき込んでこいや。それからマンションのメリットをたたき込んでいけ!ほんなら前向きに話聞くようになるかもしれんからな。話はそれからや。」
営業マン「分かりました。では、行ってきます。」
上司「おう、しっかり説明してこいよ!」

そして、笑顔でスタッフルームから営業マンが出てくる…。


何事もなかったかのように、客の目の前に座り、戸建とは?マンションとは?を語る…。
爽やかな笑顔で、世間話をしながら、スタッフルームではクズだのアホだの言われながら…。

これは、あくまでも架空の話であり、本当にこんな状況なのかは、想像にお任せします。



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