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スタッフルーム実況中継

不動産 - Home > スタッフルーム実況中継 > 第1話
第1話 - 逃げる客

とある新築分譲マンションのモデルルームでの話である…。

モデルルームの奥に位置するスタッフルーム。ウソと説教と本音が飛び交う空間…
もちろん一般人は立ち入り「絶対」禁止。

「少々お待ち下さい。」
接客中、爽やかな笑顔の営業マンがお客様にそう一言告げ、ニコニコしながらスタッフルームへ入っていく…。

これは、あくまでも架空の業者の話であり、優良な業者も数多く存在する。「こんな業者がいたらイヤだな…」という妄想として見ていただきたい。

スタッフルーム

上司「おう、どないや?」
営業マン「こいつ、今すぐ買わないって言ってます。」
上司「じゃあ、いつ買うんや?」
営業マン「子供が小学校に入るまでには買うらしいです。」
上司「ほんなら今も検討時期に入るやろが。」
営業マン「でも、今すぐではないって言ってます。」
上司「今すぐ買えない理由はあるんかい?」
営業マン「いえ、それは特にないと思います。」
上司「突っ込んだんか?」
営業マン「いえ…」
上司「突っ込まんと分からんやろが!お前の推測なんぞ聞いとらんわ!そいつ逃げてるだけやろが。「金利が上がったら損する」とか、「100%理想の物件なんかない」とか説明はできてるんか?」
営業マン「それは説明しました。」
上司「反応は?」
営業マン「ふ〜ん…て感じでした。」
上司「お前の説明の仕方が悪いんやろが!徹底的にすり込め!」
営業マン「分かりました。」
上司「実際に金利が上がろうが下がろうが関係ないんや。大事なのは、上がるように思い込ませることや!金利が上がったらどれぐらい損するかを、月支払額見せて信じ込ませろ!分かるまで何回でも説明しろ!」
営業マン「はい。」
上司「んで、希望地域は?」
営業マン「市内全域と、漠然としています。」
上司「アホかお前は?当たり前やろが。「ここで!」なんてヤツおらんわ。絞り込んでいかんかい!「子供に気遣って学校の近く重視か」とか、「実家どこか」とか、「駅の近くにこだわるんか」とか、どんどん聞いていけ!」
営業マン「特にこだわりはないって言ってます。」
上司「ほんならここでいいやろが。何でアカンねん?」
営業マン「パチンコ屋の近くというのがちょっと…。って言ってます。」
上司「こだわりあるやないか。そこらへんの矛盾を突っ込んで、逃げ道をなくしていかんかい。」
営業マン「分かりました。」
上司「家に住む以上はな、どこで買っても将来そんな施設が建つ可能性はあるんや。そんな寝言ぬかしてたら一生買えんという事を徹底的に教えてやれ。」
営業マン「分かりました。」
上司「ところで、今回嫁しか来てないけど、主人の意向は聞いているのか?」
営業マン「いえ、忙しくてなかなか話ができないと言ってます。」
上司「アホかお前。夫婦で夜メシ一緒に食うん違うんかい。その時にでも話せるやないか。適当に言ってるだけやろ、そいつ。」
営業マン「ええ、でも出張が多いと言ってます。」
上司「本当に出張行ってるんか?お前夜にでも行って主人帰ってくるか見張ってみろや。」
営業マン「いえ、まあ、そう言ってたんで…」
上司「アホか!客の言うこといちいち信じてられるか!大体、電話する時間ぐらいあるやろが。今日にでも相談させたらいいやろが。」
営業マン「分かりました。」
上司「主人の意向しっかり確認しとかんと、後で平気で「主人が反対して…」とかぬかしおるからな。先手を打っとかなアカンのや。」
営業マン「あ、そう言えば主人よりも嫁の方が権力強いって言ってましたよ。」
上司「だから何やねん?そんな事言ってるヤツに限って手のひら返してくるんや。んで、よその物件見に行ってるんかそいつ?」
営業マン「ええ、過去に見た事があると言ってます。」
上司「いつ?」
営業マン「3年ぐらい前です。」
上司「それから見てないんか?」
営業マン「はい。」
上司「その時見た目的は?」
営業マン「参考で、と言ってます。」
上司「何の参考やねん?」
営業マン「それは聞いたんですけど、今後の参考でとしか言ってくれませんでした。」
上司「本当に聞いたんか?」
営業マン「はい。」
上司「ふん、まあどっちでもええわ。そんな情報、漠然としてて何の役にも立たんやないか。どこで見たんや?」
営業マン「家の近くで、と言ってました。」
上司「ほんなら、家の近くで住みたいって希望があるん違うんかい。突っ込んだか?」
営業マン「はい。でも、チラシがよく入ってたから見に行っただけと言ってました。」
上司「ってことはチラシよく見るんやないか。ほんなら結構考えとるん違うんかい。興味なかったら普通、あんなモン見んと捨ておるからな。本当にそれ以来見てないんかそいつ?」
営業マン「いえ、そこまでは…。」
上司「もっと疑って突っ込まんかい!そこ大事やろが。タイミング逃したら一生聞けんぞ。流れ逃した後に質問しても、心閉ざしおるだけやからな。んで、そこで見て、何か印象に残った点はあったんか?」
営業マン「キッチンが良かったと言ってました。」
上司「アホかお前?キッチンだけで買うわけないやろが。もっと具体的に聞かんかい。」
営業マン「すいません。」
上司「んで?その3年前の物件について他に何か言ってるんか?」
営業マン「場所があまり良くなかったと…」
上司「お前、今住んでる家の近くって言ったやないか。ってことは今住んでる家の場所にも不満があるん違うんかい?」
営業マン「今の家に不満はないと言ってましたが。」
上司「不満がなかったら来るわけないやろが!それぐらい分かるやろアホ!大体、その時点で客の言ってること矛盾してるやないか。ちゃんと突っ込まんかい。ていうかお前全然突っ込めてないやないか。それでも営業か?」
営業マン「すいません。」
上司「何LDKの何uの部屋を見たんや?」
営業マン「いえ、そこまでは聞いていません。」
上司「お前、何にも聞けてないやないか。このクズ野郎が。今の家族は?子供何人おるねん?」
営業マン「幼稚園児が2人です。」
上司「いつ小学校に入るねん?」
営業マン「1年半後、と言ってました。」
上司「ほんなら、1年半後までに入居できる物件がいいんやな。着工から引渡しまでの期間が大体1年半ぐらいかかるから、今、販売開始した頃の物件で検討せな間に合わんやないか。それ、客は分かってるんか?」
営業マン「ええ、説明したんですけど、まだ時間があると…」
上司「アホか!今後出てくる予定の物件なんかあるんかい!ちょうど今着工したぐらいの物件なんか近くにないやろが!今出てる物件で検討するしかないやろが。今すでに出てる物件ということは、これからどんどんいい部屋が無くなって、選択肢が狭くなってくるやろ。それをちゃんと理解して、なおかつ本気で検討していたら普通、焦るやろが。理解させれてないんやろが!」
営業マン「すいません。」
上司「んで、ライバル物件のデメリットはしっかり伝えてるんか?」
営業マン「ええ、伝えましたが、そのデメリットは別にかまわないと…」
上司「アホか!意味のないデメリット伝えてどうすんねん!ちゃんと客のニーズを踏まえて話しせんかい!デメリットばっかり言い過ぎたらイヤな営業やと思われるやろが!相手のニーズを絞り込んでこっちもライバルのデメリットを絞り込んでアピールしていかんかい!んでライバルのメリットも少し言っておけ。そいつに関係ないメリットをな。「メリットとデメリットをちゃんと言ってあげてるんやぞ」ってさりげなく親切さをアピールするんや。自分をいいヤツやと思わせんと相手は信頼せんからな。」
営業マン「すいません。」
上司「全く情けない。俺やったら今ごろそいつ契約させてるぞ。んで、部屋案内の感想は?」
営業マン「ええ、部屋はいいと言ってます。」
上司「ほんなら買うんか?」
営業マン「いえ、そこまでは…。」
上司「部屋気に入ってるんなら普通買うやろが。何が不満やねん?」
営業マン「もっと色々見たいと言っています。」
上司「どこを見たがっとんねん?」
営業マン「これから考えるとしか…」
上司「そんなん逃げてるだけやろが!本当に見るんやったら今日お前が連れていってやれや。全部。」
営業マン「いえ、今日はもう時間がないと…」
上司「ほんならいつ見るんや?明日か?明後日か?3日後か?」
営業マン「またこれから忙しくなるんで、いつ見れるか分からないと…。」
上司「何をふざけた事言ってんねん。毎日、分単位のスケジュールこなしてるんか、そいつ?アイドルと違うねんぞ。何分か見に行く時間ぐらいとれるやろが。働いてんのか、そいつ?」
営業マン「ええ、働いています。」
上司「子供は幼稚園終わってから、どこかに預けとんか?」
営業マン「いえ、そこまでは…」
上司「アホかお前!小さい子供がおるんなら、普通、子供の世話せなアカンから遅くまで働かれへんやろが!小さい子供なんぞは9時ごろに寝るんやから、寝かしてから見に行けばええやないか!」
営業マン「子供寝かしてからだと遅くないです?」
上司「売れるんやったら、どの物件も遅くまで開けよるわ!」
営業マン「いえ、奥さんが…」
上司「アホか!検討していたら行きよるわい。」
営業マン「そうですか…。」
上司「おう。お前が夜に家行って迎えに行ってやれや。」
営業マン「え?家ですか?子供寝てるのにチャイム鳴らしたら迷惑では…」
上司「知るかそんな事!いちいち客の都合に合わせてられるか!買う気なんやったら出てくるわい!」
営業マン「分かりました。」
上司「ほんなら、最低でも家に行くアポイントぐらいは切ってこいよ!まあ、切っても切らんでも行くけどな。切っといた方が印象ええやろ。」
営業マン「分かりました。では、行ってきます。」
上司「ちょっと待て。あいつ今日車で来てるやろ?車種とナンバー控えとけよ。家行ったときにおるかおらんか、車あるかどうかで確かめなアカンからな。」
営業マン「はい。」
上司「んで、あいつのアンケートの家の住所、ウソかもしれんからな。家を確認しに行って、表札に別の名前書いてあったら陸運局行って身元洗ってこい。」
営業マン「はい。」
上司「あいつアンケートに携帯番号書いてるやろ?電話鳴らしとけ。ウソかもしれんからな。非通知でやぞ。」
営業マン「はい。」
上司「んで、念のために、あいつが帰ってしばらくしてから、ライバル物件の前通ってこい。そいつの車があるかもしれんからな。あったら速攻で電話するんやぞ。「時間がないから行かん」とかぬかしながら、こっそり見に行くようなクズ野郎はヒーヒー言わしてやれや。」
営業マン「はい。」

そして、笑顔でスタッフルームから営業マンが出てくる…。


そして、いつものように嫌がらせとも言えるストーカー行為・電話・夜の訪問といった「日課」が始まる…。
まあ、昔と比べれば木刀でボコボコに殴られないだけ全然マシだが…。

これは、あくまでも架空の話であり、本当にこんな状況なのかは、想像にお任せします。


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