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不動産 - Home > スタッフルーム実況中継 > 第22話
第22話 - 実物を見てから2

とある新築分譲マンションのモデルルームでの話である…。

「少々お待ち下さい。」
接客中、爽やかな笑顔の営業マンがお客様にそう一言告げ、ニコニコしながらスタッフルームへ入っていく…。

これは、あくまでも架空の業者の話であり、優良な業者も数多く存在する。「こんな業者がいたらイヤだな…」という妄想として見ていただきたい。

前回の続き・第21話 - 実物を見てから1より

スタッフルーム

上司「おう、どないや?何か別のデメリット出てきたか?」
営業マン「はい、実物を見たいというのは、どうやら建物がしっかり建っているかどうかを確認したいためらしいです。」
上司「あん?お前、さっきは部屋のイメージがわかんから、って言ってたやないか。あれはお前の作り話か?」
営業マン「いえ、それも言っていたのですが、ここで言われたことを伝えると、また今のような言葉が出てきまして…。」
上司「完全に逃げてるやないか、そいつ。」
営業マン「はい…。」
上司「何のために建物を見るんや?」
営業マン「はい、耐震が気になる、と…。」
上司「んで?実物見て耐震性が大丈夫やって分かるんか?そいつ。」
営業マン「いえ、それは…。」
上司「いえ、それは…、ちゃうねん。分かるわけないやろが。まず、設計図を完璧に見れるようになって、毎日施工現場をチェックせんとな。それでも分からんやろうけどな。鉄筋の数でも数えるんか?」
営業マン「いえ、それは…。しかし、最近は、大手は現場を見る機会があって、それを見て検討させてくれると…。」
上司「だから何やねん?ほんなら、お前が施工の責任者やったとしろや。んで今日が現場案内会やったとしろや。お前、朝イチの挨拶で部下どもに、「今日は客がここに来るぞ。お前ら、いつも通り手抜き工事しろよ。」とでも指示するんか?」
営業マン「いえ、しません。」
上司「客が来る時は、しっかりと作業してるやろが。んで、一日で見学して、施工の全てが分かるんか?誰が施工の手抜きやら、ミスやらを指摘してくれるんや?客のまわりは、全員敵やねんぞ。」
営業マン「そうですね。」
上司「せやから、現場を見たところで、分かるヤツなんぞは皆無や。大体、建物が建って耐震が大丈夫か?なんて、一瞬で潰れそうな建物なんぞ作るわけないやろが。業者も、客がどうせ分からんのを分かってて、表面上、客に全てを理解してもらった上で契約してくれ、と親切ぶって、客の見えないところで手を抜くんや。それで、客は満足するんや。親切な業者や!透明性の高い業者や!ってな。アホとしか思えんわ、全く。」
営業マン「そうですね。」
上司「大体、壁1つにしろ、完成したころはもちろん内部は隠されてるやろ?んで、施工段階で見れるっていっても、手抜きするようなところは、基本的に、全く出来上がってない建物の内部の危険な場所や。一般人がどかどかと立ち入れるようなところやないやろが。」
営業マン「はい。」
上司「せやから、結局、当たり障りのないところぐらいしか、見れんのや。「めちゃくちゃ危ないところですよ。下手に動いたら、命が危険です。この部分は、違う現場でも死人が出ておりますので。では、どうぞ。」って言われて、お前行くか?」
営業マン「よほど気になる人でない限り、行かないですよね。」
上司「おう。命と引き換えにはしたくないからな。そうなった場合、客なんぞはな、「まあ、ここは大丈夫でしょ。いいです。」なんて言ってくるんや。んで、はい終了、はいサイナラや。」
営業マン「はい。」
上司「んで、大した部分も見ず、何も分かってないくせに、安心したような気になって、契約するんや。現場見学なんぞ、所詮そんなモンや。」
営業マン「はい。」
上司「出来上がってからの建物見て、欠陥が分かるヤツなんぞおらん。全てコンクリやらで覆い隠されているからな。ムダや。耐震性を判断することなんぞできんってことを理解させてやれ。徹底的にな。」
営業マン「でも、それでは客の不安点を解消できないのでは?」
上司「だから、どの物件も解消できんのや!そんなん言ってたら、そいつ一生買えんやないか!それをしっかり理解させて、業者の信頼性をアピールしていかんかい!分からん以上、耐震性を把握することは諦めて、決めるしかないんや!」
営業マン「はい。」
上司「どうしても見たいってんなら、ここでも施工現場を見せれるよう、手配してやるわ。「いや、もう少し出来上がってから…」なんて言わすなよ。それがムダやってことは、今言ったとおりやからな。それで拒否するヤツは、考えてないってことや。クズや。ヒーヒー言わしてやれや。」
営業マン「はい。」
上司「お前もそう思わんか?さっきまでの話をまとめると、今俺らができることは、実物とほぼ同じ部屋を違う物件で拝めるし、施工現場も比較的大事な施工段階での見学が今手配できるんや。」
営業マン「はい。」
上司「んで、ほぼ出来上がった状態で現場を見ても、欠陥やらは何1つ分からん、つまりムダ。実物の部屋を見るってのも、ほぼ同じ部屋を見れるわけやし、設備やらはモデルルームで確認できる。んで、部屋はそもそも大体どこも似たようなモン。物件選びで重要なのは、立地と価格。」
営業マン「はい。」
上司「んで、現地見学まで先延ばしたら、いい条件の部屋がなくなるだけ。気持ちもどんどん冷めていく。」
営業マン「はい。」
上司「俺らにとっては、先延ばしされても、アクションを起こす手間がかかるし、即決させるに越したことはない。」
営業マン「はい。」
上司「つまり、何のメリットもないし、今決めることで利害関係が一致するやろが。」
営業マン「そうですね。」
上司「せやから、それをこんこんと説いていけ!ほんなら、「いや、でも…」って、初めて違う不満点が出てくるんや。まあ、ほぼ90%、即決する度胸がないだけやけどな。自分の肝っ玉の小ささを、俺らのせいにするんや。んで、自分を肯定するんや。「今はまだ俺らの決める段階ではない」やら、かっこつけてな。見ててこっちが恥ずかしいわ。」
営業マン「はい。」
上司「全く、話が進めば進むほど、耐震が…やら、実物を…やら、訳の分からんことを言い出しおって。いざ、施工現場見学会、現地モデルルーム案内会開催!ってDM打って、実際来るヤツどれぐらいおるっちゅうねん。ほとんどおらんやろが。逃げばっかり打ってくる、ゴミどもが。」
営業マン「はい。」
上司「その逃げ道を塞ぐんがお前の仕事やからな。客に理想に付き合うのが仕事やないんや。客に夢を与えるのがお前の仕事やないんや。それはあくまでも表面上のことやってことを肝に銘じておくんやぞ。」
営業マン「分かりました。」
上司「ほんなら、行ってこいや。」
営業マン「はい、では行ってきます!」
上司「おう!」

そして、スタッフルームから営業マンが出てくる…。


そして何事もなかったかのように、客の前に座り、先延ばしすることにデメリットをこんこんと説く…。

これは、あくまでも架空の話であり、本当にこんな状況なのかは、想像にお任せします。


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