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スタッフルーム実況中継

不動産 - Home > スタッフルーム実況中継 > 第2話
第2話 - 年収は高いが…

とある新築分譲マンションのモデルルームでの話である…。

モデルルームの奥に位置するスタッフルーム。ウソと説教と本音が飛び交う空間…
もちろん一般人は立ち入り「絶対」禁止。

「少々お待ち下さい。」
接客中、爽やかな笑顔の営業マンがお客様にそう一言告げ、ニコニコしながらスタッフルームへ入っていく…。

これは、あくまでも架空の業者の話であり、優良な業者も数多く存在する。「こんな業者がいたらイヤだな…」という妄想として見ていただきたい。

スタッフルーム

上司「おう、どないや?」
営業マン「ええ、年収1000万あるんで、買えるやつなんですが、なかなか心開いてくれません。」
上司「どの部屋で話しとんねん?」
営業マン「やはり広い部屋を希望してます。」
上司「自己資金は?」
営業マン「いえ、まだそれは確認できていません。」
上司「お前、まさか年収あるからって安心しとんちゃうやろな?」
営業マン「いえ、でも…。普通は買えるかと…」
上司「アホかお前!金使い荒いやつやったら金持ってへんやろが!年収多くてもフルローンの支払い見て気持ち冷めるやろが!お前の判断で勝手に話進めるなドアホ!」
営業マン「すいません。」
上司「車のローンは?」
営業マン「いえ、それは聞いてません。」
上司「聞いていかんかい!ローンあったら借入限度額めちゃ下がるやろが!」
営業マン「ええ…。しかし、プライドが高そうなので、あまり、資金繰りに疑い持ってかかると、気を悪くするかと…」
上司「アホかお前!大企業の社長であろうがそこらのチンピラであろうが、買わんヤツは客ちゃうんや!どんどん突っ込んでいかんかい!そうせんと、後で訳の分からん理由で断ってくるやろが!」
営業マン「分かりました。で、客に「将来この近くで物件が建つ可能性はあるか?」と聞かれまして…」
上司「で、何て答えたんや?」
営業マン「今、決定しているものはないですが、近々〜の土地が空く予定があり、マンション業者が狙っていると…。」
上司「アホかお前!そんなん言ったら客待つやろが!計画なんかあっても黙っとかなアカンやろが!今契約させたら、今後そこで建って、そいつが「何で言わなかった?」とかほざいてもシラ切れるやろうが。「解約する」て言ってきたら、それはそれで手付け没収できるしのぉ。」
営業マン「すいません。」
上司「いらんことばっかりしゃべりやがって。このクズ野郎が。何を客に親切にアドバイスしとんねん。そんなんしとったら売れるはずの客が逃げるやろうが!」
営業マン「すいません。」
上司「んで、何でここの物件見にこようと思ってん、そいつ?」
営業マン「近くを散歩で通りがかったから、寄ってみただけと言ってます。」
上司「ほんなら近くに住んでるやないか。ここ販売開始してけっこうたつやろが。何でもっと早く見に来んかってん。突っ込んだか?」
営業マン「ええ、それまで全く興味なかったらしいです。」
上司「興味を持ったきっかけは?」
営業マン「チラシ見て、設備が良さそうだからと言ってました。」
上司「だから何やねん。設備で買うわけないやろが。他に興味そそるところないんかい?」
営業マン「いえ、それしか聞いてません…」
上司「突っ込まんと言わんに決まってるやろが!大体、チラシ見てるんやったら散歩のついでちゃうやろが。近くやから、ここ買っても生活変えんでええしな。そいついくつや?」
営業マン「55歳です。」
上司「熱いやないかそいつ!家持ってんのか?」
営業マン「ええ、持ってるから、特に住み替える気はないと…。」
上司「アホかお前!住み替える気なかったら来んやろが!大体、50過ぎて考えてもいないやつが来るわけないやろが!言ってるだけやろ!お前そいつ今日絶対帰すなよ!」
営業マン「はい。」
上司「んで、築何年や?」
営業マン「20年ぐらいです。」
上司「どこの家や…(住宅地図を見て)おお、けっこう広いやないか。土地相場調べとけ。リフォームしとんか?」
営業マン「いえ、それは確認してません。」
上司「このクズ野郎!お前、20年前やったらバリアフリーちゃうやろが!部屋の中の居心地が悪いんかもしれんやろ。大体、設備に興味を持ってて、築聞いてて何でそこ突っ込まんのやお前は!」
営業マン「すいません。」
上司「老後に備えて、一戸建てからマンションに住み替える人間が多いやろが。マンション購入者の世代割合データやら、資料やら見せながらちゃんと説明しとんか?」
営業マン「ええ、してます。」
上司「反応は?」
営業マン「それぐらい知っている、と言ってました。」
上司「分かっとったらもっと前向きに話してくるやろうが!住み替える気ないなどと言わんわ!年収高いやつに限って偉そうに知ったかぶりしおるんや!もっとしっかり説明してやれや!」
営業マン「はい。」
上司「老人に住みやすいマンションのメリットは何か、お前分かっとんか?」
営業マン「バリアフリーで段差がなく、転んで怪我する心配がないということです。」
上司「他には?」
営業マン「えっと…。」
上司「アホかお前は!マンションは一戸建てと違って建物の管理自分でせんでええやろが!一戸建ては外壁の補修やらで手間かかるけど、マンションは全部やってくれるやろが!歳とったら草むしりやらもしんどいやろが!腰痛めるやろが!そこ重要やろ!お前、客にそそらせるトーク本当にできてんのか?」
営業マン「すいません。」
上司「あやまってなんぞいらんねん。契約しかいらんのじゃ!」
営業マン「はい。」
上司「んで、ここ契約してるやつは若いやつばっかりやけど、お前ちゃんとそいつには、「ここはあなたのように50代の方が多いです。やっぱり最近は老後を見越して便利なマンションに住み替える方がどんどん増えてますからね。」とアピールしとけよ!」
営業マン「え?でも内覧でバレないですか?」
上司「アホかお前!契約したらこっちのもんやろが!後でギャーギャー言ってきても知らん顔しとったらええんや。「転勤やら何やらでキャンセルしたんです」って言ったらええやろが!」
営業マン「はい。」
上司「ほんま機転のきかんやつやの。まあ、ええわ。そいつ子供おるんか?」
営業マン「ええ、独立してます。」
上司「帰ってくる予定は?」
営業マン「今のところないと言ってます。」
上司「子供は親が家見てるって知ってんのか?」
営業マン「いえ、確認してません。」
上司「アホかお前!後で子供に話ししたら、子供が「俺が住んでるところで引き取る」って言うかもしれんやろが!突っ込め!」
営業マン「すいません。」
上司「土地を子供に譲るかもしれんしな!それが全然分からんやないか!後手後手にまわったら、決めれんやないか!若い優柔不断なヤツらと違って50代以上は即決なんやぞ!」
営業マン「はい。」
上司「もし子供に話してへんのやったら、もっとここらへんの土地話で盛り上げて気持ち高ぶらせとけ。んで、まだ50代やから面倒見てもらうには早いやろ?客が身動きとれんくなるんはどうせ20年先ぐらいや。子供の状況も変わってるかもしれんやろ。「引き取られるにはまだ早い」と思わせろ。そこらへんを上手く会話の中ですり込んでいけ。もちろん、「ほんならまだ住み替えはええか」て思われんように、マンションの魅力はしっかり言っとけよ!」
営業マン「はい。」
上司「んで、そいつの家の土地相場は分かったか?」
営業マン「はい。けっこう高いです。この土地の広さだったら、売った金でここ買えますね。」
上司「おう、そうか。よし。ほんなら売らす方向で話ししろ。どうせ持ってても意味ないやろ?もし、「子供に譲る」て言ってきおったら、どう答えたらいいか分かってるやろな?」
営業マン「ええ、一度今日にでも電話して相談して下さいと…。」
上司「アホかお前!そんなのん気な事言ってどないすんねん!子供に残すっていってもな、子供がそれを望むかどうか分からんやろ?もしかしたら今の家の住み心地が悪いから出ていったんかもしれんやろが。子供からしたら、親が土地持ってたら、重荷になるかもしれんのや。そこで住まなアカンとか、相続税かかったりとかな。実際、親の土地あるけど、そこで家建てるやつ少ないやろ?不便なところも多いしな。そういう例を挙げながら、「土地に関しては、お子様の事は気にしない方がいいですよ。今後、何年も先に、お子様が必ずそこに住みたいっていう保証はないですし、それまで土地寝かしてたら固定資産税かかってもったいないですよ。」っていう方向に、「今」売るように話持っていけ。」
営業マン「分かりました。」
上司「ええか、絶対例を挙げて、「普通皆さんそうするんですよ」と胸張って信じ込ませろよ!親がその気になったら、子供と話しする時にも雰囲気が変わってくるからな!」
営業マン「分かりました。」
上司「おう、ほんなら行ってこい。車と今の家のローンの残債、絶対確認しろよ!俺は仲介業者に連絡して、土地売却がスムーズにいくように手打っとくからな!」
営業マン「ありがとうございます。では、行ってきます。」
上司「おう。とにかく気に入らさんと話進まんからな。ウソでも何でもいいから気持ち高めさすんや!」
営業マン「はい。」
上司「客がもし何かまた訳の分からんこと言ってきたら、また、適当に理由つけて絶対こっちに戻って来いよ!」
営業マン「分かりました。」

そして、笑顔でスタッフルームから営業マンが出てくる…。




散歩で寄っただけ、と逃げをうっているはずの客が、いつのまにやら今日決まる熱い客と変化している…。
そして何事もなかったかのように客の前に座り、楽しいこの近辺の土地話など、世間話をはじめる…。
今日絶対にこの目の前の客を決めなくてはならないという、果てしないプレッシャーを内に秘めて…。

これは、あくまでも架空の話であり、本当にこんな状況なのかは、想像にお任せします。


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