スタッフルーム実況中継
たまには時代劇にて息抜きを…。
ある屋敷…。ウソと本音が飛び交う空間…。もちろん一般人は立ち入り「絶対」禁止。
「少々、お待ち下され。」
足軽が、そう客に一言告げ、ニコニコしながら屋敷へと入ってゆく…。
これは、あくまでも架空の話であり、優良な業者も数多く存在する。「こんな業者がいたらイヤだな…」という妄想として見ていただきたい。
屋敷 |
殿 | : | 「おお、そなたか。近こう寄れ。」 |
足軽 | : | 「はっ。」 |
殿 | : | 「して、どのような者が参っておるのじゃ?」 |
足軽 | : | 「はっ、夫婦と、小さな子供が参っております。」 |
殿 | : | 「ほう、夫婦、子供とな…。して、首尾は?」 |
足軽 | : | 「はっ…、希望の条件が定まらぬゆえ…。なかなか手厳しく存じまする。」 |
殿 | : | 「たわけが!それを定めるのがお主の役目ではないか!何のためにお主を先鋒に命じたと思っておるのだ!」 |
足軽 | : | 「はっ…、申し訳ございませぬ。しかし、何も考えずに、とりあえず参ったような、たわ事を申しておりますゆえ…。」 |
殿 | : | 「たわ事を申しておるのはそちではないか!条件が定まっておる者を契約に導くのは、猿にでもできるのじゃ。ここに参る者は、文句を言う愚か者が多いゆえ、気合いを入れていかねばならぬではないか!このたわけが!」 |
足軽 | : | 「ははっ。」 |
殿 | : | 「しかし、何も考えずに来るとは、わしを馬鹿にしておるのう。このままではわしの沽券にかかわる。漠然としておる輩どもには、少々痛い目を見せてやらねばならぬのう。」 |
足軽 | : | 「と、殿!無抵抗な者たちに対して、それをしてしまえば、我らの武名も地に落ちてしまいまするぞ!」 |
殿 | : | 「黙れい!このたわけが!お主がしっかり条件を絞り込まぬから、そうせざるをえぬではないか!」 |
足軽 | : | 「申し訳ございませぬ、しっかりといたしますゆえ、何卒、穏便にお願いいたしまする。」 |
殿 | : | 「むぅ…では、そちに免じてこの場は済ませてやろう。」 |
足軽 | : | 「はっ、ありがたきしあわせに存じまする。」 |
殿 | : | 「して、検討動機は何と申しておるのじゃ?」 |
足軽 | : | 「はっ…、それが、ただ見物に参っただけと…。」 |
殿 | : | 「なにっ?動機がないと申すか?」 |
足軽 | : | 「はっ…。」 |
殿 | : | 「うぬぅ…。それでは、手の打ちようがないではないか。そちはどうしていくつもりじゃ?」 |
足軽 | : | 「はっ、とにかく徹底的に突っ込んでいく所存でござります。」 |
殿 | : | 「うむ…それしかないのう。して、それでも聞けぬ場合は?」 |
足軽 | : | 「はっ、ヒーヒー言わせる所存でござります。」 |
殿 | : | 「ほう。言うではないか。ふふふ、そちもなかなかワルよのう。」 |
足軽 | : | 「いえ、滅相もございませぬ。」 |
殿 | : | 「しかし、情報がないことにはのう…、そうじゃ、隠密に探らせようぞ。お主ら、見つからぬように探ってくるのじゃ!」 |
隠密 | : | 「御意。」 |
殿 | : | 「何なら、家を買わねばならぬようにするため、家を焼き討ちにしてきてもよいぞ。」 |
足軽 | : | 「と、殿!それはご容赦を…。」 |
殿 | : | 「うむ…。それは、ちと、やりすぎかのう?まあ、探るだけでよい。」 |
隠密 | : | 「御意。」 |
殿 | : | 「して、そやつは、いつまでに家を欲しいのじゃ?」 |
足軽 | : | 「はっ、それが、今すぐではなく、子供が小学校に上がるまでと申しておりまする。」 |
殿 | : | 「ほう…。して、そちは何と答えたのじゃ?」 |
足軽 | : | 「はっ、しかし、今が低金利であり、お子様が小学校に上がるまでお待ちになられると、後悔するやもしれぬと…。」 |
殿 | : | 「ほう、して?」 |
足軽 | : | 「しかし、行かせたい小学校が見当たらぬゆえ、もう少し様子を見ると…。」 |
殿 | : | 「うぬっ、して、その方、何と答えたのじゃ?」 |
足軽 | : | 「はっ、なかなかごもっともと…。」 |
殿 | : | 「たわけが!たやすく逃げられておるではないか!小学校と、支払いと、どちらが大事か、明白であろうが!その方、何を考えておるのじゃ!しかと突っ込まねばならぬであろうが!」 |
足軽 | : | 「申し訳ございませぬ。」 |
殿 | : | 「その方の働きに、一族郎党の行く末がかかっておるのじゃぞ!分かっておるのか!」 |
足軽 | : | 「はっ!それは承知いたしておりまする。」 |
殿 | : | 「では、しっかりせぬと承知せんぞ!」 |
足軽 | : | 「ははっ。」 |
殿 | : | 「大した戦功も挙げず、帰ってきたら、その首が宙に舞うものと思え!」 |
足軽 | : | 「ははっ!」 |
殿 | : | 「しかし、そやつ、なかなか逃げてくるのう。なかなかの手練れではないか。他物件の密偵ではないか?」 |
足軽 | : | 「いえ、それは感じませなんだが。」 |
殿 | : | 「お主では、もはや当てにならぬわ!もしもの時に備え、襖の向こうに兵を潜ませようぞ。不穏な動きを見せれば、直ちに討ち取ってくれようぞ!」 |
足軽 | : | 「と、殿!それでは、殺気を感じ取られ、さらに警戒されるのではございませぬか?」 |
殿 | : | 「ならばどうしろと申すのだ!敵に攻め込まれてからでは遅いではないか!怖れていては、何もできぬではないか。お主、それでも武士か!たわけが!」 |
足軽 | : | 「はっ、申し訳ございませぬ。」 |
子供 | : | 「ダーダー。」 |
殿 | : | 「むっ、何奴!」 |
足軽 | : | 「あっ、客の子供にござりまする。どうやら、迷い込んできたようですな。なかなか、無邪気なことで。」 |
殿 | : | 「曲者じゃ!出会え!者ども、こやつを斬り捨てい!」 |
足軽 | : | 「と、殿!おやめくだされ!かのような子供を斬ると、殿の威厳にかかわりまするぞ!」 |
殿 | : | 「むっ、しかし、当方の秘密を暴露されては、生きていけぬではないか!」 |
足軽 | : | 「大丈夫でございまする。まだ、考えることもできぬような年端もいかぬ子供ゆえ…。」 |
殿 | : | 「むむっ、ならば、仕方ない。しかし、このままでは、この密談部屋に気安く入ってくる輩どもが増えるではないか。見せしめのため、首に縄をしばりつけ、市中引きずり回しの刑じゃ!」 |
足軽 | : | 「と、殿!それでは、一緒でござりまする!」 |
殿 | : | 「むう…、そうか。ならば、この度は見逃してやろう。では、そちもしっかりと接客してくるがよい!」 |
足軽 | : | 「ははっ!」 |
殿 | : | 「申込をとれば、褒美は思いのままじゃ!行ってまいれ!」 |
足軽 | : | 「ははっ!」 |
こうして、足軽が戦場に赴いてゆく…。
これは、あくまでも架空の話です。
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