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不動産 - Home > スタッフルーム実況中継 > 第10話
第10話 - 念願の申込!

とある新築分譲マンションのモデルルームでの話である…。

モデルルームの奥に位置するスタッフルーム。ウソと説教と本音が飛び交う空間…
もちろん一般人は立ち入り「絶対」禁止。

「少々お待ち下さい。」
接客中、爽やかな笑顔の営業マンがお客様にそう一言告げ、ニコニコしながらスタッフルームへ入っていく…。

これは、あくまでも架空の業者の話であり、優良な業者も数多く存在する。「こんな業者がいたらイヤだな…」という妄想として見ていただきたい。

スタッフルーム

上司「おう、どないや?」
営業マン申込入りました!」
上司「おおっ!!ようやった!よっしゃ!!」
営業マン「ありがとうございます!」
上司「これでやっと1戸減ったな!んで、契約はいつや?」
営業マン「はい、2週間後の大安の日です。」
上司「アホかお前は!何でそんな先なんや!」
営業マン「いえ、忙しいんでと…。そして大安の日にしたいのでと…。」
上司「アホか!そんな先やったら考える時間与えてしまうやろが!客なんぞはな、期間が空いたらどんどんマイナスな方向に考えてしまうんや!「ほんまに大丈夫なんやろか」てな!」
営業マン「はい…。でも、「ここはもう買うから大丈夫です」と言ってますが…。」
上司「アホかお前は!そう言うに決まってるやろが!でも、ほんまは考えたいからじゃ!適当に言ってるだけやろが!」
営業マン「そうですか…。」
上司「そうじゃ!それぐらい分かるやろが!このアホが!」
営業マン「すいません。」
上司「申込から契約までの期間が空けば空くほど、キャンセルの可能性が高くなるんじゃ!それぐらい覚えとけ!」
営業マン「はい。」
上司「今は気持ちが高ぶってるからええけど、時間がたてば冷静になるやろ?その間にライバル物件を見たり、色んな人間から話聞いたりもできるやろ?マイナスの事ばかり吹き込まれて、「もうちょっと様子見よか」とか考えおるんじゃい!」
営業マン「はい。」
上司「ライバル物件なんか行かれたら、ここのデメリットぶちまけられるやろ?特に、申込するぐらい話進んでるなんか言われてみろ、相手も必死こいて文句言ってくるのは見に見えとるからな。」
営業マン「はい。」
上司「んで、知り合いに「家買う寸前までいってるんやけど、どうしたらいい?」なんて相談されてみろ。んで、その知り合いが「いいやん!行け行け!」って言って、そのマンションがもし欠陥住宅やったら、責任感じて関係気まずくなるやろが。だから、俺らにとってプラスになるような話する可能性は低いんじゃ。」
営業マン「はい。」
上司「もう契約してもうたら終わりやし、高い買い物やから、最後の1歩をよう進まんやつが多いんや。」
営業マン「はい。」
上司「んで、2週間後にするって言われて、何て答えたんや?」
営業マン「えっ?分かりましたと…。」
上司「早くするようにって頑張らんかったんか?」
営業マン「いえ、すいません…。」
上司「このクズ野郎が。大丈夫とか言われて安心しおって。客にええように操られとるやないか。客主導になってもうたら終わりやないか!この大事な時に…。アホか!「何でそんなに空けられるんですか?まだ何かお悩みの点でもお持ちなのではないですか?」ぐらい突っ込んでいかんかい!」
営業マン「はい。」
上司「ほんなら、何か別の理由が出てくるかもしれんやろが。理由がないんやったら、「どうしても、ご都合が悪ければ仕方がございませんが、特に事情がないのでしたら…。」と、一言断って、早く契約するようにお願いせんかい!」
営業マン「はい。」
上司「早くさせる理由なんか適当につけるんや!「ご契約後の手続きが色々とございます。その段取りが、これだけ空いてしまうと、なかなか組めないんで…。」とか、「基本的に、お申込いただきましたお客様には、ご契約を早めにしてしていただくよう、お願いしております。なぜかと言うと、一度この物件で過去に、お申込状態で長い期間そのままにされてたお客様がいらっしゃいまして、別のご検討いただいてたお客様が、「申込が一歩遅れて諦めたが、こんなに申込のまま契約もせんと放っておくんなら、自分に申込させろ!契約もすぐするから!」と怒り出しまして、非常に困った事がございますんで…。万が一の事がございますんで。」とでも言ってみて、強引に早く契約させる方向に持っていかんかい!」
営業マン「分かりました。」
上司「ほんまはそんな客もおらんし、今はまだ引渡しまで期間あるから、そんな手続きないんやけどな。銀行関係やら、オプションやら、手続きは適当に理由つけたらええんや。んで、契約さえしてしまえばこっちのもんや。後で客が何か言ってきても「予定が変更しまして…。もちろん、お客様にとって不利になるように変更されたわけではございませんのでご安心下さい。」とか適当に言って逃げればええんや。」
営業マン「分かりました。しかし、「そんな人いるんですか?」って突っ込まれたらどうすればいいですか?」
上司「だから万が一の事を考えて、って逃げを打っとくんや。「お客様のような方に是非この物件にお住まいしていただきたいんですが、もし、余計な事でお客様にご迷惑がかかったら申し訳ないんで…。」とか言って、客の事を考えてるフリでもしとけや。」
営業マン「分かりました。ただ、言い過ぎてしまうと、「それなら辞める」とか言ってこないですか?」
上司「まあ、そうなったら仕方ない、「では、その期間で…」って言うしかないけどな。逆に、そんなんですぐ「やっぱ辞める」とかぬかしおるアホは、どうせ期間が空いたら辞めおるからな。相手の反応次第ではな、「えっ?別にそこまでして買いたいとも思われないんですか?」って突っ込んで、本音を探っていったらええんや!」
営業マン「はい。」
上司「ほんまに、申込までウダウダ言いやがって。てこずらせやって、うっとうしいやつやな、そいつ。」
営業マン「はい。」
上司「まあ、ええわ。申込するって言ってるんやから、一応、しっかりとした「客」やからな。まだ、キャンセルするって決まったわけやないけど、そういうやつはかなり危険やからな、契約してからも気は抜くなよ!そんなやつに限って、契約してからも下らん理由つけて、イチャモンつけてきおるからな!」
営業マン「はい。」
上司「そういうやつにはな、ややこい質問されたら、徹底的に逃げるんや!もちろん、契約してからな。「必ず」やら「絶対に」やらは禁句や。覚えとけ!」
営業マン「分かりました。」
上司「申込キャンセルは、手付け没収もできんし、ほんまムダな苦労になるからな。せいぜい申込証拠金パクるぐらいしかできんからな。」
営業マン「えっ?それって犯罪では?」
上司「アホか!やっとるやつ多いわ。客も申込証拠金還ってくるん知らんやつ多いし、俺らに迷惑かけてるから言いにくいしな。大体、知らんやつが悪いんじゃ!バレんかったらええんや!」
営業マン「はい。」
上司契約書の金額ごまかして、銀行から多めに融資引っ張るやつもおるやないか。立派な私文書偽造や。不動産なんか、法破ってなんぼの世界やないか!客も容認しおるんや。それぐらいでガタガタぬかすな!」
営業マン「すいません。」
上司「んで、手付けはいつ入れんねん?」
営業マン「いえ、手付けも2週間後にと…。」
上司「アホか!そんなんキャンセルの可能性めちゃ高いやないか!まだ踏ん切りつかんから待ってくれって言ってるようなモンやろが!」
営業マン「すいません。」
上司「金放り込んだら踏ん切りつきおるからな。手付けぐらいは早めに放り込ませろ!」
営業マン「はい。でしたら、2〜3日後に早めてもらうよう、お願いします。」
上司「アホかお前!この申込終わったらすぐじゃ!今日じゃ!」
営業マン「えっ!でも、金用意するのに時間がかかるかと…。」
上司「アホか!手付けの金ぐらい持ってるやろが。すぐ動かせる金がないって言うんか?お前とちゃうんねんぞ。家買おかってやつが全く持ってへんわけないやろが!」
営業マン「すいません。」
上司「全く、何考えてんのや、お前は…。この後に及んで、まだ、客の都合考えやがって。大体、こっち都合で話進めるのがお前の仕事やろうが!」
営業マン「すいません。」
上司「そんな下らんことばっか言いやがったら、お前が今まで接客したやつの家、夜中の2時に回らすぞ!」
営業マン「すいません。」
上司「ほんなら、手付けはすぐに入れさせろよ!んで、手付けの額はなんぼやねん?」
営業マン「はい、50万円です。」
上司「ナメてんのかお前?」
営業マン「はい?」
上司「そんな額やったら、客契約してから辞めても痛くないやろが!手付け没収の旨味がないやろが!それぐらい分かるやろが!このクズ野郎が!」
営業マン「すいません。」
上司「つまり、いつでも辞めれるように、客が布石打ってきてるんやろが!3000万の部屋やろ?手付けもっと入れさせろ!」
営業マン「すいません…。客がこの金額でって言ってるんで…。」
上司「それを増やすんがお前の仕事やろうが!客の都合に合わせて契約するのなんぞは猿にでもできるんじゃ!」
営業マン「すいません、どうやって増やすように話ししたらいいんですか?」
上司「まだ建物竣工してないやろ?んでそいつローン組むんやろ?3000万やから、手付け150万を超える額入れたら銀行が保全措置を講じるやろが。そうなったら、売主が倒産しても全額還ってくるんや。50万やったら倒産したら還ってこんやろが。つまり、150万を超える額入れた方が客にとってはリスクなくなるんや。それを説明して、万が一の事を考えて、手付け150万超える額入れた方がいいって言ってこい!」
営業マン「はい。」
上司「「通常、皆様、手付けはそれぐらい入れられます。万が一の事に備えまして。大事なお金ですから。」って胸張って言い切るんやぞ!」
営業マン「分かりました。でも、それを言うと、「ここの売主さん、経営ヤバいんですか?」って言われないですか?」
上司「だから万が一の事を考えて、って言ってるやろが!何回言わすんやお前は!客にとっては、万全を期すにこした事はないやろが!客の事を考えてやってるんやろが!大体、お前、そんなん言うってことは、売主の実績のアピールちゃんとできてへんのちゃうんか?」
営業マン「いえ、それはしっかりとしてます。」
上司「ほんまか?」
営業マン「はい。」
上司「ほんなら問題ないやろが。下らん事ぬかすなアホ!」
営業マン「すいません。」
上司「まあ、手付けも150万超えたら、解約もそうそうできんやろ。手付け没収が痛いからな。客の解約阻止の効果があるから、絶対それぐらいは入れささなアカンのや!」
営業マン「分かりました。」
上司「それで、「いや、万が一の事があっても、50万ぐらいなら没収されてもいいよ。」なんぞぬかしおったら、客、解約の可能性も十分考えてるってことやからな。今の申込から契約までの気持ち、疑っていけよ!」
営業マン「はい。」
上司「こんな内容で申込とっても、俺が上から怒られるんじゃ。しっかりやらんかい!」
営業マン「すいません。」
上司「おう、ほんなら行ってこい!契約は遅くても3日後くらい、手付けは150万を超える額を「今日」じゃ!交渉してこい!何一つ満たせんと申込とってきたら、明日からのお前の電話営業、悲劇が待ってると思っとけ!肝に銘じとけ!」
営業マン「はい。では、行ってきます!」
上司「おう!また何か訳の分からんこと言ってきたら、すぐ戻ってこいよ!」

そして、スタッフルームから営業マンが出てくる…。


何事もなかったかのように、客の目の前に座り、お客様の立場になったフリをする…。
念願の申込にも関わらず、顔色は良くない…。
なぜか?申込が嬉しくないのか?悲劇が待ってるからか?
これは、あくまでも架空の話であり、本当にこんな状況なのかは、想像にお任せします。

(会話中に出てくる犯罪行為は、許されることではありません。もちろん、バレなかったらいいという問題でもありませんのでご注意下さい。あくまでも架空の話なので…。)


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