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重要事項説明書

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耐震診断の内容

重要事項説明書に記載されている「耐震診断の内容」について、見ていこう。

耐震診断とは、大地震が来た際に、どれぐらい耐えうるかを、コンクリートの圧縮強度試験などによって評価するもの。

地震に耐えうる建物かどうかを診断し、耐震性の高い建物の建築を推奨することで、地震の際の建物の倒壊を防ぎ、住民の安全を確保しよう、というもの。

地震にどれぐらい耐えうるかの基準、要するに耐震基準は、過去の大地震の度に改定されている。1981年に制定された耐震基準を満たしている建物が、阪神大震災時に被害が比較的少なかったことから、現在では、その耐震基準をもとに耐震性を見る。

この耐震基準を満たしていない建物に関しては、できるだけ耐震改修を行うように、と勧めている。

必ず建て替えしなければならない、というものではない。

耐震偽装問題が発覚したことを受け、耐震診断の有無を重要事項説明へ追加することが義務付けられた。

これに伴い、重要事項説明書には、耐震診断を受けているかどうか、が記載される。

しかし、耐震診断を受けるかどうかは任意であり、必ず受けなければならないというものではない。

耐震診断を受けていなければ、「無し」と記載される。

耐震診断を受けていれば、耐震診断の内容を記載する。

営業マン「耐震診断を受けておりませんので、無しとなっております。」
「どうしてしないのですか?」
営業マン「耐震診断は義務ではございません。しかし、建物を建てる際、そのつど、しっかり強度を満たしているかどうかは確認しておりますからご安心下さい。この耐震診断も、通常は、どこもしておりませんよ。では次…」

耐震偽装をしていないことを確実に証明するものがない以上、営業マンにとっては、あまり突っ込まれたくないポイントである。そのため、さらっと流してくる。

そもそも、耐震偽装をしている、と簡単に証明できるのであれば、誰も耐震偽装などしない。

また、工事がしっかりとされているか、耐震について問題がないか、などは建設現場に入っていない営業マンに分かるわけがない。

施工の責任者、設計士を呼んでもらって、直接確認した方がまだマシ。しかし、呼んでくれと言ったら、基本的にイヤがる。

施工業者や設計士は、しっかりと建てることに、通常は力を入れるが、客に納得してもらうことには、力を入れない。忙しいので、面倒くさがる。契約直前の客ならまだしも、検討段階の客に、わざわざ説明しにはこない。

耐震偽装問題で何かと話題になった耐震強度。耐震強度の数値についても、聞けば、答えてくれる場合もある。しかし、聞けば、基本的に業者は嫌がる。

営業マン「すいません、ここの耐震強度はいくらですか?」
設計士「何でお答えしないといけないんですか?」
営業マン「いえ、契約者の方に、聞かれているもので…。」
設計士「数値をお伝えする義務はないです。後で何かと揉めてもイヤなんで…。」
営業マン「言えません、と契約者にお伝えしろというのですか?」
設計士「「1」はあるからそれで問題ないでしょう?」

といったやり取りが、もしかしたら、水面下で行われるかもしれない。
耐震強度が「1」なければ建築基準法違反。


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