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営業マンの仕事


営業マンの報告

営業マンの一日は、報告に始まって、報告に終わる。

ポスティング編

通常、営業マンはポスティングに出かける前に、上司に、
  • 「どこに行くか」
  • 「何枚チラシをまくか」
  • 「一戸建て、賃貸マンション、分譲マンション、アパートなど、何に入れるか」
  • 「どれくらいの時間で戻ってくるか」

を報告した上で出かける。

営業マン「今から、〜町の賃貸マンションをメインに、1,000枚まいて、3時間後に戻ってきます。」
上司「〜町ということは、100戸クラスのマンションが3棟あって、団地もその近くに密集してるやろ。3時間もかかるわけないやろが!アホ!」

ポスティングなど、上司が行っているのは見たことないが、そういうことはさすがによく知っている。

上司は自分が下っ端の頃、全ての営業活動をひたすら経験しているから、初めての地域での販売でも、どこで何枚まくのにどれくらい時間がかかるかは大体分かる。したがって、時間が多いと判断すれば、当然怒る。
部下の、「効率よく客を呼び込めそうなところをまわるために時間をかけよう」という気持ちなど、どうでもいい。聞こうともしない。大事なのは、枚数と時間のバランスである。

営業マン「このエリアは、以前から入れてますが、大規模はライバル物件もたくさん入れているため、穴場を重点的にまわりたいんですが…。」
上司「そんなこと言って、大規模まわってさぼりたいだけやろ?大体、大規模含めたら2時間ちょいあれば終わるから、帰ってくる時間15分抜いても、40分ぐらいさぼれるからのぉ。」

部下が報告した時間について、さぼる時間まで瞬時に割り出してくる。これがまた実に正確である。
ある意味、頭がいい。

また、たまにやる気を出し、「今日は頑張ってまこう!」と気合いを入れる。まく枚数は、当然増える。しかも、いつもよりも短時間で済む。そして、スタッフルームへ戻る。

営業マン「今日は、〜町で、2時間で2000枚まきました。」
上司「お前、〜町に前行ったときに、1000枚で2時間かかったやないか。前にさぼってたやろ!このクズ野郎が!」

「頑張ったな」と言われることなど、ない。頑張って早くに済ませ、早めに帰ってしまうと、損しかしない

上司「お前、それぐらいの時間でそれだけまけるんやないか。ほんなら、これからはその時間でまかんかい!」

当然、そうなる。

次回からは、その「めちゃくちゃ頑張った」時間が基準となる。つまり、次回からは、常に「めちゃくちゃ」頑張らないといけない。さぼる時間など、なくなる。

後のことを考えず、このように頑張ってしまった場合、上司どころか、先輩にも怒られる。

先輩「何でそんな時間でそんなにまくんや!俺らまでその時間でまかなアカンやないか。俺らが今までさばれるように、時間をかけてやってきた努力が水の泡やないか。全く、使えんヤツやな。」

営業マンの前向きな個人プレーは、職場の人間全員を敵に回すことになる。会社という組織の一員としての自覚が必要である。

そのため、墓穴を掘らないように考えて行動しなければならない。電話営業で、頭を休めるために出るつもりが、意外に頭を使わなければいけない。

近くなら自転車及び徒歩、遠くなら車。車で行く場合は、団地密集地帯に行けるため、時間が余る。

また、チラシを車の奥に隠せる。世の中の営業マンの車の中のチラシを合計すれば、莫大な数になるだろう。

<複数の営業マンで、車で遠方へポスティングに行った場合>

営業マン「今日は、遠方で、3000枚まきました。」
上司「そんなにかからんやろが!さぼってたんちゃうんか!」
営業マン「いえ、帰りに、行きと違うルートでまきながら帰ってきたんですが、途中で工事渋滞にまきこまれ、かなり時間がかかってしまったんです。工事の看板も見にくいところにあって、あれは絶対に分からないです。何であんなところで工事なんかするんでしょうか。あいつら、頭おかしいんじゃないですかね。」
上司「知るか!まあ、工事やったら仕方ないな。」

サボった時間を、ありもしない道路工事のせいにして、その場を切り抜ける。大体、帰りの時間は、「いかにしてサボりをバレないように時間配分をするか」の相談タイムである。

物件販売のためのミーティング並みに、意見を出し合う

報告というものはウソと責任転嫁によって成り立っている素晴らしいシステムである。

あなたも是非体験してみませんか?
楽しい報告の生活を。


スタッフルームへようこそ


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