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不動産 - Home > スタッフルーム実況中継 > 第24話
第24話 - 都市圏から地方へ

とある新築分譲マンションのモデルルームでの話である…。

モデルルームの奥に位置するスタッフルーム。ウソと説教と本音が飛び交う空間…
もちろん一般人は立ち入り「絶対」禁止。

「少々お待ち下さい。」
接客中、爽やかな笑顔の営業マンがお客様にそう一言告げ、ニコニコしながらスタッフルームへ入っていく…。

これは、あくまでも架空の業者の話であり、優良な業者も数多く存在する。「こんな業者がいたらイヤだな…」という妄想として見ていただきたい。

スタッフルーム

上司「おう、どないや?」
営業マン「はい、男性1人で、県外からの来場です。〜県からですね。」
上司「ほぉ、なかなかいいところから来とるやないか。こんな地方の物件に何しに来たんや?あざ笑いにでも来たんか?大体大都市から地方に来るヤツは、偉そうに「今住んでるところは便利で…」やら、「自分の住んでる大都市に比べてここは…」やら、自分の立地の良さをアピールしたがるんや。こっちを見下すようにな。大都市の営業マンか?って突っ込みたくなるわい。じゃあ来んなっちゅうねん。んで?」
営業マン「ええ、結婚するらしくて、こっちの方に住むかもしれないと…」
上司「いつ結婚するんや?」
営業マン「いえ、まだ具体的にはいつかは決まってないと…」
上司「アホかお前は?誰も〜月〜日に結婚するんかなんて聞いてへんやろが。そいつの結婚式なんぞに興味はないんや。大体、いつぐらいになるかぐらいは分かるやろが。」
営業マン「いえ、それは…」
上司「何じゃそりゃ?大体、結婚時期も全く分からんやつが、家なんぞ探しに来るわけないやろが。」
営業マン「はい。ただ、買うなら来年の7月ぐらいには買いたいと言ってたので、おそらく…」
上司「その時期に結婚するだろう、とでも言いたいんやろ?お前の推測なんぞいらんのじゃ!このアホンダラが!前にも言ったけどな、結婚するかどうかまず分からんやろが。何でその時期なんかは突っ込んだんか?」
営業マン「いえ…、多分結婚するからだなと思って…」
上司「お前の想像で話進めやがって、このアホが。そんなヤツに限ってその時期になって電話したら、事情が変わりまして…とかぬかしてきおるんや。言ってきたらまだマシや、電話に出んヤツもけっこうおるからな。」
営業マン「そうですね。」
上司「さっきトイレに行くフリして壁の裏から少し話し聞いとったけど、のらりくらりしててパッとせんヤツっぽいからな。しっかりと意向を聞きださんと、お前が後で辛い思いするんや。」
営業マン「はい。」
上司「お前、俺が今パッとせんヤツやって言って、「ほんなら決まらんくても仕方ない」やらいう感情は持つなよ。お前はどんなクズでも常に決めなアカンのや。どんな手を使ってもな。お前に客を選ぶ選択肢なんぞないんやぞ。分かってんのか?」
営業マン「はい、分かってます。」
上司「分かっとったらしっかり突っ込んでるやろが。」
営業マン「すいません。」
上司「県外からの客は、どうせ県外まで追っかけて来んやろ、て思いおるからな。県外であろうと徹底的に追い詰められるとも知らずにな。」
営業マン「えっ?」
上司「そりゃそうや。県外であろうと、島に住んでようと、買うまでお前はアプローチせんといかんやろが。相手が電話を無視する以上は、家行かな始まらんやろが。」
営業マン「は、はい。その場合…出張費は出ますよね?」
上司「お前の接客内容次第やな。」
営業マン「はい…。」
上司「基本的に、独身の男が県外から来場、んで1人で来てるってパターンはな、業者の可能性も高いんや。それはしっかりと注意しとけよ。」
営業マン「はい。それは注意してます。」
上司「販売状況だけでなく、こっちのアピールの仕方にも注意するんやぞ。変に失言してもうたら、そのままそれが向こうのウリになるからな。」
営業マン「はい。」
上司「ほんならその客やな。仮にお前の言うとおり、その時期に結婚するとしてやな、何でここで住む必要があるんや?」
営業マン「ええ、実家がこっちにあるからと…」
上司「どっちの実家や?」
営業マン「え?それは…」
上司「アホかお前は?どっちの実家かで、どっちの意向が強くなるか変わるやろが。今来てる主人を一生懸命気に入らしても嫁に一蹴されることもよくあるやろが。しっかり確認しとかんか!」
営業マン「すいません。」
上司「まあ、それならそれで、お前が嫁引きずってでも連れてきたらいいだけやけどな。大体、今の段階では嫁になるかどうかも分からんからな。男1人で来てるってのがなおさら怪しいからな。まずそれが分からんと話にならんわ。聞いてこい。」
営業マン「はい。」
営業マン「嫁の実家らしいです。」
上司「嫁やと?ほんなら今日話詰めれんやないか。クズが。大体、そいつ何で1人で来たんや?嫁と来ればええやろが。ここは何で知ったんや?」
営業マン「嫁に言われてきたらしいです。」
上司「何て言われてきたんや?」
営業マン「行ってきてって言われたから見に来たと…」
上司「犬かそいつは?何でかくらい確認してから来いや。何を注意して見たらいいんか分からんやろが。そんなヤツ多いな。お前がマンションのメリット教えてやれや。「ここ」を「今」買うメリットをな。もちろん、買うまでな。」
営業マン「分かりました。」
上司「大体、主人はこの土地に縁あんのか?」
営業マン「いえ、ほとんど知らないみたいです。」
上司「ほんなら、なおさら嫁が来んと決まらんな。でも、主人を気に入らさんと、嫁は絶対来んからな。主人がマイナスなこと言うに決まってるからな。主人にとってのメリットを探さなアカンな。主人はどこで働いとんねん?」
営業マン「今住んでる県内と…」
上司「ほんまに漠然とした答えしかできんな、お前は。アホか?まあええわ。ほんならどっちにしてもここ住んだら勤務先までかなり距離かかるようになるやろ。それは主人納得してんのか?」
営業マン「いえ、それは…」
上司「アホかお前は!それ聞いとかんと、主人ここ気に入るわけないやろが!」
営業マン「すいません。」
上司「今は何で通勤してるんや?」
営業マン「電車です。」
上司「そうか、ほんならここは駅が近いやろ?電車通勤の良さを話して場を盛り上げろや。テンション上げささなアカンからな。んでから「モデルルーム見学の際に大事なのは、お客様がいかにその物件での生活のイメージをわくことができるかです。漠然と見学されても、今後のお客様のためになりません。私はお客様に「勉強になった。ありがとう。」と言っていただけるよう、精一杯お力添えをさせていただきます。」って客のために仕事するフリして、「まずお客様に通勤のイメージをわいていただくために、通勤時間など、電車の時間を割り出して計算してみます。お客様のために。」とでも言って勤務先を聞き出せや。」
営業マン「はい。」
上司「ここに住んだら、何時に家出たらええんかを教えてやるってなモンや。俺らにとってはそいつが何時に家出ようが知ったこっちゃないけどな。勤務先聞いたら大手かどうか、社員募集要項から給料大体どれぐらいか調べてみろや。」
営業マン「はい。」
上司「時間は今よりもかかるようになるけど、ここらに住んだら絶対そうなるんや。まずそれを理解させろ。んで、その中でも、この物件は駅近なんやから、少なくとも他の物件よりかはお前にとってメリットあるんや、とな。それで文句言ってたらこの地方では一生買えんってこともたたき込めや。」
営業マン「はい。」
上司「んで、他にそいつの情報は?」
営業マン「ええ、賃貸も検討している、と言ってます。」
上司「賃貸は実際に見てんのか?」
営業マン「ええ、見てます。」
上司「何件ぐらい見てんのや?」
営業マン「3件ぐらいです。」
上司「家賃はどれぐらいで見てんのや?」
営業マン「いえ、それは…。」
上司「アホかお前は!それを聞かんと、ここの月支払い額との比較でアピールができんやろが!全く、何も聞けてへんクズ野郎が。」
営業マン「すいません。」
上司「まあほんなら仕方ない。そいつの住んでる都市と違って、ここは分譲マンションの価格も安いやろ?低金利なんやし、とりあえずローンの月支払い額を提示してみろや。もちろん、短期固定でな。」
営業マン「はい。」
上司「まだ管理費やら修繕積立金やらの話はええわ。「安い金額」をたたき込むのが目的や。とにかくローンの金額や。ここらへんの高めの家賃相場とそんな変わらんやろが。」
営業マン「そうですね。」
上司「しかも、賃貸やったら保証金やら仲介手数料やらで色々とられるやろが。物件によっちゃあ、何十万も請求してくる場合もあるからな。月の支払いもそんな変わらんし、そんな出費するぐらいなら、買った方がええやないか。って気持ちを少しでも持たせろ。もちろん、家買うときの諸費用の話もせんでええぞ。」
営業マン「はい。」
上司「家主に払う金は完全に捨て金や。前金だけでなく、月の家賃もな。大体、賃貸に住むってことは、グータラしとる家主どもの生活を維持するために、自分が必死こいて働いてそいつらに金あげるんやぞ?何がおもろくて他人に奉仕するんや?アホちゃうんか?」
営業マン「そうですね。」
上司「そう思うんやったらしっかりとそれを説明しとかんかい。下らん相槌なんぞいらんのじゃ。」
営業マン「すいません。」
上司「あやまるぐらいなら初めからぬかすなアホ。」
営業マン「はい。」
上司「家を買っても当然月の出費はあるけどやな、出費の意味合いは全然違うんや。他人を喜ばすために金を捨てるか、自分に投資するかの違いや。将来年とった時に、その違いは確実に出てくるんや。家もなく、財産もないヤツと、ローン払い終わってのんびり暮らすか、家売ってまとまった金手に入れて賃貸でのんびり暮らすか、な。」
営業マン「はい。」
上司「誰でもそうやけどな、家を買いたいって思ってても、一度賃貸に入ってもうたら、よっぽど家主と揉めるか、他の住人が気に入らんかせん限りはその賃貸に居座るモンや。んで、いざ買いたい!って思ったときはガキの教育資金やら、ローン金利の上昇やらの事情が加わって不可能なんや。そいつにとっては今が絶好のチャンスなんや。低金利やし特に大きな出費もないやろうしな。人間年とっていくにつれて、出費が減っていくことなんぞないんや。何かとどんどん増えていくもんなんや。今は実感もわかんやろうから、それを徹底的に教えてやれや。「お客様のために」今買うようにな。」
営業マン「はい。」
上司「まあ、勝ち組になる前にそいつが破産してまう可能性も十二分にあるけどな。特に短期金利なんぞで組んでもうたらな。その時には俺らはオサラバしとるんや。そいつがどうなろうが、知ったこっちゃないからな。」
営業マン「はい。」
上司「そいつの勤務先聞くときに、転勤あるんかどうかも聞いとけや。転勤がなかったら、家を売ったり貸したりせなアカン面倒くささもないし、支払いは似たようなモンや。リスクも減るやろが。同じ家に住み続けたとして、仮に家賃7万の賃貸に住んでみろや。月の支払いやから実感わかんやろうけど、年間84万や。10年住んだら840万や。20年住んだら1680万や。つまり、今賃貸に住むっていう選択肢は、1680万家主に貢ぐ人生の始まりや。そんな下らん人生送らすぐらいなら、今人生やめたくなるぐらいお前がヒーヒー言わしてやれや。」
営業マン「分かりました。」
上司「1680万払って、畳1枚自分のものにならんのや。家主喜ばすだけや。しかも、年とっていくにつれて、周りからも「家もよう買わんヤツ」と白い目で見られるようになるぞ。ってさりげなく会話の中ですり込んでいけや。」
営業マン「はい。」
上司「大体モデルルームに来るヤツも、ある程度年とってるヤツで家買ったことあるかないか、雰囲気ですぐ分かるからな。言い訳ばっかしやがるからな。「以前は自分の買いたいと思う物件に出会う機会がなかった」ってお前が高望みしてるだけやろが。「今までは自分は買う時期ではなかった」って時期のせいにすんなや。ってなモンや。全く、アホどもが偉そうに。」
営業マン「はい。」
上司「んで、ここは少しでも離れたらガラ悪いエリアやろ?賃貸ミスると住んでから悲惨な目に遭うぞ。お隣さんがヤバい人やったりとかな。賃貸は入居の敷居が低いから、そんないらん心配もせなアカンのや。分譲マンションはある程度そういうヤツはシャットアウトするからな。ろくな仕事についてへんヤツは銀行が切り捨てるしな。物件によっては、「その筋の方の入居は禁止」と重説やらに書くしな。まあ、愛人やらの名義で買ったら隠せるし、営業マンごときが断れるわけないけどな。まあ、それは言わんでええけど、分譲マンションの方がそういう面でも安心やて言っておけ。」
営業マン「はい。」
上司「まあ、それを言うと逆に「自分はローン大丈夫やろか?」って不安がるヤツもおるからな。それは、「お客様のようなしっかりとした方なら大丈夫ですよ。」とでもおだてとけや。むしろ、「一応、銀行が貸してくれるかどうか確認してみましょう。」って言って年収やら個人情報聞き出せや。」
営業マン「分かりました。」
上司「ほんならまず、聞けるトコからどんどん聞いていけや。タイミングは逃すなよ。」
営業マン「はい。では、行ってきます。」
上司「おう!」

そして、笑顔でスタッフルームから営業マンが出てくる…。


そして何事もなかったかのように客の目の前に座り、ニコニコしながら賃貸に住むことのもったいなさ、将来に対する脅しをかけていく…。

自分も賃貸に住んでいるという事実はふせながら…。

これは、あくまでも架空の話であり、本当にこんな状況なのかは、想像にお任せします。


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