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住宅購入に関する注意点

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チラシ

マンションを購入する際の、チラシの注意点を見ていこう。ここで挙げるのは、あくまでも一例である。

チラシの注意点

週末に、新聞を見るとよく入っている折込広告。また、自宅のポストによく入っているマンションのチラシ。見る人はよく見ているが、見ない人は一切見ない。

通常、マンションの存在を知る上で、一番割合の高い媒体が折込広告である。実際、モデルルームに来場した人のアンケートを見ても、大体の物件は一番多い。

まず、チラシを見る時に何を注意して見るか?それは一般の人は大体が価格である。業者が他物件のチラシを見る際は、通常はチラシの隅っこに小さい文字で記載されている物件概要である。

チラシの前提として、チラシは「見る人に物件のことを理解してもらう」のが目的ではない。「見る人にこの物件がいいと視覚的に思わせる」のが目的である。

チラシを見る際の最低限注意するポイントとしては、通常のチラシのケースで言うと、まず表面に大きく記載されている価格、そして表面のアピール内容、裏面の間取り、物件概要は確認しておきたい。


価格の注意点

モデルルームに来る客で、チラシの価格と実際にモデルルームで提示される価格の違いに落胆する客が多い。人によっては、「全然違うやないか!ウソ付きやがって!」と怒る。

その通りである。チラシの価格と実際の価格は違う、ということをあらかじめ認識しておきたい。

なぜ違うか?まず、チラシにはローン金額しか載せない。当然、マンションを購入する際にはローン以外の支払い、要するに管理費、修繕積立金、駐車場代がかかる。支払い額は、当然上がる。

そして、それぞれのタイプの金額は、通常は一番低い階の金額である。上層階などを希望するとなると、かなり金額に差が出る。

次に、チラシの金額の下に虫メガネが必要なぐらい小さい文字で記載されている頭金、ボーナス額。

頭金は、当然その金額を持っていない場合、不可能。ボーナス額は、1回なのか?年間2回込みのボーナス額なのか?でさらに違う。チラシによっては、公務員しか無理なぐらいの額を記載している場合もある。

そして、支払い額のベースとなっている金利。これは、その物件が「実際に使用できる全金融機関の中で、一番安く、特別な条件を全て満たすことを前提とした金利」で計算している。タチの悪い業者では、一般の人では無理の確率が高い(公務員優遇金利など)金利を使用している可能性もある。

そのため、
「サブプライム問題が起きてるからね〜、少しだけ固定期間を長くしようかな。」

と言った時点で支払い額はかなり変わる。チラシを鵜呑みにせず、自分である程度は支払い額を想定しておきたい。小さい文字だからといって読み飛ばさないようにしたい。


表面のアピール内容

通常、チラシの表面を見ると、第一にコピーライターが考えた意味深な、言い換えればよく意味の分からないコメントが目に入る。

それはどうでもいいが、まず外観写真と周辺の景色図。格好良く見せるために下から見上げたマンションが目に付く。まず注意したいのは、その外観写真を載せるに当たって、見栄えが悪くなるような建物周辺の障害物は一切省いているということ。そして、周辺の施設は、できるだけ近く見えるように工夫されているということ。所詮、イメージである。

次に、アピールしている内容。書いてあることはアピールポイントだが、書いてないことはデメリットである。「スーパー徒歩2分!!」しか書いてない場合、駅は相当遠い。

そして、設備を大々的に宣伝している場合、「立地条件が悪いので設備でカバーしてます」と言い換えることができる。また、「ペットが2匹買える!!」など、通常どこでもありえるアピールポイントを表面で堂々とアピールしている場合、メリット自体が少ない物件の可能性が高い。

住むに当たってそれほど重要でないアピールポイントを数多く載せている物件は焦りを感じる。販売開始からけっこう期間がたっている物件は、広告も色んなパターンを既に作って展開している。つまり、その物件の契約者に対して、決め手となったポイントを把握している。メリットを載せまくっているチラシを見ると、決め手がなく、とにかく数で勝負!という感じが伝わってくる。

販売開始からどれぐらいたっているかは、物件概要の引渡し時期を見れば分かる。その時期から通常は1年〜1年半前である。


裏面の間取り

通常は、間取りは裏面に載せる。まず、引渡しが迫ってきて全タイプ載せていれば、当然苦戦物件。そして、間取り図に方角を示していなければ、その部屋の向きは北がからんだ向き。

部屋のクローゼットとドアの図が重なっていれば、住んでからすぐに傷つく。ドアを開けたままではクローゼットを開けることができない。

そして、キッチンからしか浴室に入れない間取りもある。小さな娘が将来成長して年頃になった際、風呂上りで家族が集結するリビングを通るのは嫌がる。

西向き、南西の角部屋で和室が西側にあれば、西日で畳が焼ける。

また、間取り図には必ず部屋の広さも載せているが、その広さがバルコニー込みかどうかも確認しておきたい。たまに、バルコニー込みと抜きの広さを勘違いしている人が「チラシより狭いやないか!」と怒る。

その部屋の広さから、坪単価も計算しておきたい。坪単価とは、「その部屋の価格/その部屋の坪数」である。近隣物件のチラシを見て、価格の比較がしやすくなる。


物件概要

チラシの隅っこに小さくかなり書き込まれてる物件概要。はっきり言って見るのは面倒くさい。

注意するポイントは、まず交通。この欄でその物件の立地条件(電車の便・バスまでの距離)が分かる。「徒歩〜分」と記載されるが、この場合の1分は80mに相当する。そして、信号・踏み切りなどは一切考慮しない。通常、その時間より確実にもっとかかることを頭に入れておきたい。

そして金額。ここでもごちゃごちゃと書いてある。何たら使用料など、聞きなれないものが書いてある場合もある。当然、チラシ表面の金額には加算されていない。実際の支払額をイメージする場合は、この欄もしっかり確認しておきたい。

また、金額欄に載っている修繕積立金と修繕積立基金。修繕積立基金の額が「修繕積立金×120=修繕積立基金」より少なければ少ないほど、将来、修繕積立金の月支払い額は上昇する。

次に、販売戸数。これは、ウソである場合が多く、記載されている戸数よりも残戸数は多いと思っておいた方がいい。当然、総戸数と見比べてみて残戸数が多ければ苦戦物件。総戸数と販売戸数の表記が同じ場合も苦戦物件の可能性が高い。また、表記が同じ場合、客によって販売戸数を変えている可能性もある。

次に、売主・販売会社。販売会社を入れると手数料を払わなければならないため、特に不景気なので、自社で売りたいところ。販売会社を入れるのは、売主が自社で販売スキルがあまりにない・販売会社が土地の案件を持ってきた(いわゆる「持ち込み」)・よほど厳しい物件、の場合である。古くからの付き合いで、というのもあるが、不景気で付き合いなどとも言ってられない。売主のグループ会社が販売代理で入っている場合は別。

つまり、販売会社を入れている時点で、「すごくいい物件」ではない。竣工が迫ってきている物件で、販売会社を複数入れている場合は、1社だけでは厳しいため、とにかく数を入れて何とかしよう、ということもある。

また、販売会社が複数入っている場合は、他社同士腹の探り合いが起きており、意思の疎通などなく、他社の客などどうでもいい存在なため、他社の客に質問・お願いなどされても「何で俺らが対応せなアカンねん」的な態度をとられ、客にとっていい答えは返ってくる可能性は低い。

他にも物件概要には色々記載されているが、法律で載せることが義務付けられているものが多く、抜けていれば物件云々以前に大問題である。

最後に、チラシ全体に言えること。それは「誤字」。通常は広告会社がチラシのサンプルを営業側に送りチェックが入る。明らかにチェック散漫である。営業サイドの意識の低さ、そしてレベルがうかがえる。実際、よく見かける。

(おまけ)ついでに……モデルルーム案内時間について。夜の9時以降まで営業している物件は、かなり気合いの入った営業をかけてくるかもしれない…。


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