上司…。それは歴戦の強者…。
その強大な力に屈しながら、日々を過ごす営業マン。なかなか言えない不満や文句や本音もある…。

営業である以上は、売ってナンボである。売れない以上は、何を言っても言い訳にしかならない。契約ゼロのまま、月末を迎えると、まず人間扱いされない。

上司も上から指摘され、部下に対しての監視が厳しくなり、寝ずに見張るようになる。

営業マン	：	「すいません、電話しすぎて耳の調子がおかしいんですが…。」
上司	：	「ほんなら別の耳でかけたらいいやろが。」
営業マン	：	「すいません、椅子に座りっぱなしで腰が痛いです…。」
上司	：	「ほんなら机の上で正座してかけろや。」
営業マン	：	「すいません、受話器を握る握力がなくなってきました…。」
上司	：	「ほんなら受話器を手に縛りつけたるわ。」

当然、休憩などという言葉は職場には存在しない。

そして、電話営業中は、当然のごとく上司が怖い顔で後ろから睨み付ける。上司によっては、「武器」を持っていることもある。一瞬でも受話器を置くと、上司から何らかのアクションが来る。
それが、怒鳴り声か、叫び声か、穏やかな声か、力強い一撃か…その時にならないと分からない。

たまに、上司がトイレや電話で一瞬、席を外す。
その間に、休憩したいが、休憩すると、もしバレたら、後が怖い。

そして、上司が帰ってくる。

上司	：	「お前、俺がいない間、休憩していたやろが！」
営業マン	：	「いえ、電話してました。」
上司	：	「ウソつくな！外で聞いてたけど、お前の声が聞こえてこんかったわ！」

普通、電話していても、聞こえるはずがない。とにかく、怒る。

上司

：

「ちょっと目を離したらすぐさぼりやがって。休憩なんぞ絶対やらんからな！」

もともと、休憩などない。
空間は絶望感と、憂鬱感に満ち溢れ、自分の営業トークが響き渡る…。

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