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営業マンの仕事


真面目な営業マン

10分で帰る客に対して


客がモデルルームに来場して、接客をする。接客時間は、長くて4時間ぐらい。短いときは、10分。

営業マンからすれば、せっかくモデルルームに来てくれた客。しかも、営業マンはモデルルームに何人か常駐しているため、接客は通常、順番に回す。

その客が話にならなければ、次に順番が回ってくるまで待たなければならない。

そのため、気合いを入れて接客に入る…そして客が「時間がないので…」と10分で帰る。

そして営業マンは、ここで「せっかく順番回ってきたのに、10分で帰りやがって!」と、怒る。つまり、10分で帰ったのは客のせいだと言うのである。

ここで思うのは、果たして客が悪いのか?ということである。 大事なのは、客の文句を言うことではなく、その10分で自分がどんな内容の会話をしたか?である。

接客に長い時間を費やすと、客もそれなりに検討するだろう。もしかすると、申込が入るかもしれない。しかし、10分で帰られたら、ほとんどの場合、決まることはない。

接客に4時間かかれば、営業マンも話の内容を全て覚えているのは、通常は難しい。接客内容をテープにでも録音していない限り、「何を話したかな?」となる。

しかし、10分。この10分ぐらいなら、自分がどんな内容の会話をしたか、そして1つ1つの会話で客がどんな反応を示したか、は覚えているだろう。それすら思い出せない営業マンは、考えてものをしゃべっていない。

10分間で自分が話した内容を思い出し、果たしてそれが自分では完璧だったと納得できるものなのか?を一度考えるのが大事である。

ここでいう完璧というのは、自己満足的なものではない。客のニーズに合ったアピール、客が興味を引くような説明ができていたか?ということである。

忙しい客は多い。時間がない、と言われることも多々ある。しかし、客がその気になれば、10分しかないと言っていた客が2時間話を聞いてくれることも、実際、ある。

つまり、客に時間があろうがなかろうが、客が「もういい」と思ったから帰ったのである。

時間が10分しかなかったから帰ったのではない、
営業マンの説明が今イチだったから10分になったのである。

客のせいにしても始まらない。営業マン同士でグチっていても始まらない。

自分の接客を思い起こし、自分の何が悪かったのか?を徹底的に考える。そして、なぜ10分で帰られたのか?を考える。

「10分しかない」といきなり言われても腐らずに、3分で客のニーズを細かく把握し、3分で客のニーズに合った効率のいいアピールをし、3分でメリットとデメリット、そして支払いをしっかり把握してもらい、残りの1分で結論を出してもらうつもりで接客に臨む。

前回の反省を生かし、10分で内容の濃い接客ができれば、客は帰ることを忘れて、長時間話を聞いてくれるようになる。

また、どうしても用事があって10分で帰らなければならない場合は、用事を済ませてから、すぐにモデルルームに帰ってくる。

前まで10分で帰らせていた時間のない客が、2時間話を聞いてくれるようになった時、初めて経験を積んだといえる。


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